パニック障害とは(概要)
パニック障害とは、突然前触れもなく、動悸、息苦しさ、めまいなどの症状が出現するパニック発作を繰り返し、
そのため「またあの発作が起きたらどうしよう」と過度に心配になって、外出などが制限される病気です。
原因はまだはっきりと解明されていませんが、多くの罹患者はストレスのかかるエピソードが発症前に発生していたそうです。
私も、前職では疲労が強く出ていたことを自覚していて、無自覚にストレスを感じていたのかもしれません。
パニック障害のおもな症状として、「繰り返すパニック発作」と「予期不安」です。
パニック発作は突然前触れもなく動悸や息苦しさ、めまいなどの症状が出現し、「自分がコントロールできない」「死んでしまうのではないか」といった恐怖心を抱きます。
しかし、発作自体は長くても15~30分で収まるため、身体的に検査をしても検査値に異常はありません。
それにも関わらず繰り返しパニック発作が前触れなく起きるため、「また発作が起こってしまうのではないか」と不安を感じます。
これが「予期不安」と呼ばれるものです。
この予期不安は、人混み(通勤のバスや電車など)で起きてしまうかもしれないといった考えになり、だんだんと外出ができなくなり、会社や学校に行けなくなります。(この状況を広場恐怖と言います)
私の体験談
私もパニック発作がある日突然発症しました。普通にいつも通り仕事をしていて、急に「背中が痛いなぁ」と感じました。
痛みを感じてすぐに呼吸が苦しくなり、目の前がチカチカして座っていることもできず、その日は仕事を早退させてもらい病院に行くことにしました。
時期はコロナがまだ5類に移行する前で、もしかしたらと思い、コロナ外来に受診。特に問題もなく肺のレントゲンを撮影しても、心電図をとっても異常はありませんでした。
何事もなく翌日職場に行きましたが、始業前にまた呼吸困難が始まりました。さらに複数の病院に行きましたが、結果はすべて同じでした。
5件目位、病院に受診したころ、とある医師から「身体的な問題ではないようだ。」と安定剤をもらうことになりました。
この安定剤が精神科薬であることは知っていました。もちろん効果があり、自分が精神疾患になったのだと理解したのと同時に絶望もしました。
「今の状態では退職や休職が望ましい。できるだけ迅速に。なお、しばらくはこの障害と向き合って生きていくため、仕事にはつけないと考えた方が良い」と、精神科の医師から告げられました。
毎日発作が起き、近所のコンビニにも一人で行けなくなり、発作が起きると倒れてしまうこと、頓服を服用すると睡魔が来てしまうこと(安定剤のため)があり、日常のほとんどをベッドの上で生活していました。
パニック障害の発覚から半年経過し、ベッドで何かできないかとPCの勉強を始めました。軽量の折り畳みテーブルとノートPCで時間は掛かりましたが、MOSの取得に至りました。
そこから「もしかしたらまだ自分にもできることがあるかもしれない」と思い、就労移行支援事業所を探しました。
そんな時に頑張るきっかけをくれたのが「フロンティアリンク 札幌キャリアセンター」さんでした。
今の状態
就職活動に入ったとき在宅勤務での求人が少なかったこと、いざ面接に行っても「事業所に通所出来ていないと難しい…」と言われたました。
そこから週5日通所を開始。最初は不安しかありませんでしたが、現在は通勤ラッシュの満員電車も普通に乗車して事業所まで移動しています。
頓服を事前に服用してから地下鉄に乗る→頓服を飲まずに不調になったら飲む→飲まずに行けるようになったから発作が起こる心配がない!という所まで病状は回復し安定しています。
発作が起きてしまったときは
もしパニック発作が起こってしまった場合は、以下の対応をしています。
- 頓服を服用する
- 呼吸がしやすいような体位を取る(具体的には横になる)
- チカチカしてくるため、目や顔の部分を覆い安定するまで待機する
- 家にいる場合は安心できるようなぬいぐるみや毛布をかぶる…など
また、カフェインの摂取をしないように心がけたり、疲労をためないように自分の体力を考慮し外出する時間を考えています。
そして、体力作りをするためにジムに通ったり、夏場はプールで全身運動を行うなど頑張っています。
配慮してほしい点
合理的配慮として考慮していただきたい点は、以下の通りです。
※在宅においては自己対応できるため、配慮は特別必要ありません。
- 静かな場所の確保
- パーソナルスペースの確保(一人になれる空間など)
- 急な欠勤に対応できる人員配置(業務を一人で抱えることのないような配慮
- もし発作が起こってしまったときに、他社員・来客などに見えないような席の配置